多くの人は、腰に力を入れる時に、ぼんやりとそれを行っている。
腰に力を入れれば、腰が反ります。
若いときは良いですが、いい感じで年を重ねてくると、腰の反り方で、ぎっくり腰等を起こす。
要は、下半身、足にしっかり力が入っていなかったということですが、
そこらを詳しく説明します。
まずは、良い姿勢の説明。
一般に多い、良い姿勢の誤解。と、ここでいう良い姿勢について。

まず、良い姿勢の誤解では、胸を張ったり、背中を反らそうと上半身を緊張します。
実際はみぞおちを突き出し、骨盤を前に押している状態です。
正しい姿勢は、逆にお尻を後方に引き、上半身は緊張しません。
下半身、足腰を緊張さすことによって、腰を反らします。

実際に腰に力を入れる時の解剖学的な筋肉は、腸腰筋というインナーマッスルです。
間違っても、背中から腰の表層筋である、脊柱起立筋だけで、腰を反らしても、腰を痛めます。
腸腰筋(腸骨筋、大腰筋、小腰筋)
この筋肉群には2つの作用があり、
(1)大腿骨を前に上げる。
足上げの筋肉ですね。
(2)下肢を固定するとき。
腸骨筋は骨盤を前にまげ、(前傾)
小・大腰筋は腰椎を前にまげる。(反る)
今回はこっちの話です。
通常は下肢を前に上げる筋肉群ですが、下肢を固定すれば、行き場のない力が、骨盤と腰椎に緊張をもたらします。これが腰に力を入れている=腰を反っている状態です。
ちなみに、腰椎を反ると、腰を反るは明確に違う。腰椎を反るは、腰椎の真ん中L3あたりにアールが来る。
腰を反るは、骨盤の前傾を伴うので、腰椎の位置はL4,5となる。
問題は、下肢の固定です。
人体で最も強大な筋力を発生する腸腰筋群が下肢を上げようとしても、上がらずに固定状態に留める。
このポイントが前回の「足裏の使い方(1)」である。見てない人はチェックしてください。

腰を反るメカニズム。
上半身は力まない。
つま先(A)かかと(B)を均等に力を入れ、足心(C) を見出し、そこに垂直に力(腸腰筋群の筋力)を叩き込むと、
地面から反発力が生じる。その力が、骨盤前傾と腰椎の反り、すなわち腰の反りを生む。
言葉では簡単だが、実践にはかなりの年月、修行が必要です。
小さな子ども、元気な子供の腰は反っている。
元気のない老人の腰は曲がっている。
今から、腰の反りを手に入れよう!